たまに自然化粧品の成分などについても書いてみようと思います。
まず、第一回目は最近巷で人気のバラ、ローズについて。
巷の自然系化粧品で必ず人気のもととなる成分「バラ」ですが、永く愛される理由があるようです。
バラ(薔薇)とはバラ科バラ属の種の総称で、中国の雲南省、チベット、ミャンマー周辺が主産地でここから世界に伝播したとのこと。
オリジナルは世界に120種程ですが、19世紀から観賞用として人工受粉による品種改良が進み、その種類は3000種を超えているそうです。
この中でローズオイルやローズウォーターとして化粧品原料に用いられる品種は、オールドローズやワイルドローズといわれるダマスク、センティフォリア、ガリカ、アルバ、野生種など。
よく見かける観賞用の優雅なバラという感じとは違う見かけですが、豊かな香りと含まれる油分に特徴があります。
ダマスクスローズは主にブルガリアやトルコで栽培され水蒸気蒸留法で精油を抽出。
センティフォリアは主に南仏のグラース地方やモロッコで栽培され溶剤抽出法で精油を抽出。
本物のバラのエッセンシャルオイルは、ものすごく多くの花びらからほんの少ししか摂れないこともあって非常に高価です。
(バラの匂いのする化粧品で、人工香料含むではなく本物のオイルのみを使っている製品は少ないのではないでしょうか)
よく化粧品として販売されているローズウォーターとは、水蒸気蒸留法で精油を抽出するときに得られる副産物で、化粧水や高級化粧品の水分として用いられます。
水蒸気蒸留法にてオイルを摂る場合ですが、バラの花びらを水蒸気で蒸すと油を含んだ水が摂れます。
その油分を分けて取り出したものがローズのエッセンシャルオイル、残った水分がローズウォーターということです。
ローズウォーターと名のつく製品としては、水蒸気蒸留方で得られたローズウォーターそのものの製品と、水に後からローズ精油を混ぜ合わせた製品があるので成分表は要チェック。
そのローズ精油やローズウォーターに含まれる成分ですが、ビタミンC、ビタミンE、ゲラニオール、シロトネロール、ネロールなど。
以上の成分等によって、保湿効果、収れん効果、鎮静効果、抗アレルギー効果、殺菌効果、抗菌効果、ホルモンバランスの調整効果、リラックス効果があると言われています。
最近の科学で、このような自然界に存在して長い歴史の中で処方されてきたものの科学的根拠が分かってくるようになりました。
古代ローマ時代から数千年にわたり世界中の女性たちに愛され、女王クレオパトラから現代の女性まで魅了し続けるこの花こそ、化粧品原料の中のクイーンといえるのではないかな。
優雅なイメージと美しさ、そして香りと効能はハイテク技術では作り出せない、「美」の領域って感じがします。