簡単マーケティング講座3 事業領域・コンセプトをまとめる
全体のフレームワークのプロセス④事業領域・コンセプトの策定(やることを決める)は、 「ターゲット(お客さん)、ニーズ(こうなったらいいのにな)、独自能力(自分しか出来ないこと)の切り口で組み立てると外さない」 と説明しました。 そして前回「ターゲットはより具体的に」と説明しましたが、 「ニーズや独自能力もより具体的に」です。 ニーズの把握については、何度も言いますが「現場100回」。ターゲット(お客さん)は、何に困っていてどうしてあげたら喜んでくれるのか、見て聞いて観察して、自分も経験して、し尽さないといけません。 例えば、東京駅を朝晩利用する30代の男性ビジネスマンをターゲットとして駅ナカ事業を始めようとした場合、最低でも10日は朝晩張り込み観察が必要ですね。 ターゲットは、何時に何人通ったか、どんな人達なのか、どんな服を着ているか、何をしながら歩いているか、一人か夫婦一緒か、どんな顔をして歩いているか、視線はどのように動いているか、動線はどのようにとったか、駅売店で何を買ったか、近隣にその時間どんな店が開いているか、競合サービスはどんな感じか、そこでどんなニーズがありそうか、ということをとことんターゲットの立場になって調べ考え抜くプロセスが必要です。 そして初めて、ニーズ(こうなったらいいのにな)というものが分かります。 独自能力(自分にしか出来ないこと)については、よく考えて製品やサービス、またその提供の仕方を具体的に設定しましょう。例えば自分のお店の隣に強烈な激安チェーン店やブランドショップが出来ても絶対負けないような勝てる個性を具体的に。自分の強みを活かして、手段を色々組み合わせたらオンリーワンが必ずできると思います。 そして最終的に以上の、事業領域・コンセプトの策定(やることを決める)として、ターゲット(お客さん)、ニーズ(こうなったらいいのにな)、独自能力(自分しか出来ないこと)の要素を入れて、一文にまとめます。
簡単マーケティング講座2 ターゲットは具体的に
さて、前回の全体フレームワークにおける④の事業領域・コンセプトの策定で、ターゲット(お客さん)を決めるところがありました。 ターゲット(お客さん)つまり、商品やサービスを使って欲しい、買って欲しい人を設定することです。 横文字では、ターゲティング。 今回はここでのポイントを書いてみようと思います。 誰をターゲットとするかということは非常に重要です。 例えば、「地球上の生物」をターゲットとするのか、「動物」にするのか、「人間」にするのか、「日本に住んでる人」にするのか、「横浜市に住む小学生」にするのか、「横浜市青葉区に住む小学校1年生の男の子」とでは、ターゲット数の大きさや具体性という話では大違いですね。 この世にターゲットきっちりを決めないで、いかにうまくいっていないことの多いことか。。また、その逆の成功事例が多いことか。 みなさまも思い当たることがあるのではないでしょうか。 まず、ターゲットを設定するにあたり以下の4つことを念頭において考えてみましょう。 ①対象の規模と成長性ターゲットの人数や的の大きさはどれくらいよ?今後それって増えるの?購買力はあるの?競争相手ってどうよ? ②投資効果そのターゲットに売るまで大変か簡単か?長期戦か短期戦か?儲かるの?やる価値あるの? ③自分の目標との整合性そのターゲットって自分に合ってるの?それって本当にやりたいこと? ④自分のスキル・資源いいターゲットであることは分かったけど、今の自分にできるの?お金あるの?決まってる自分の店の前を通るの? ...
簡単マーケティング講座1 売れる仕組みの作り方とは?
結構最近は精神面やテクニックの話が多かったので、モノが売れるための基本の基本の考え方について書いてみようと思います。 「マーケティング」って言葉を使うと、「横文字で言葉はかっこいいけどなんか難しいよね~」とか「特殊なテクニック?」とか「調査とか販売のこと?」とか「本当に良い物を伝えていくのにそんなものは必要ないと思っているんだよね」いう感じでよく分からなかったり、拒否反応を示す方もいます。実際自分も「マーケティング」って特殊なビジネススキルと昔は思っていました。 逆にウンチクに熟知していて言葉に酔っていても、日々の商売にそんな横文字と理屈はいらないんだよね~、今すぐサクッと電話したほうがいいんじゃないの?、という場合もあり。 よく分かる人もなんかよく分からない人も、ちょっと基本に立ち返ってもらって、実際に商売をやられている方向けに、誰にでも分かる「簡単マーケティング講座」を全4回で書いてみようと思います。 小難しい話は抜きにして、実際の商売に必要な基本的な考え方だけ!超シンプルに。 さてさて先ず「マーケティング」とは、ここでは要するに「モノやサービスが売れる仕組みづくり」としておきます。(細かい概念ははっきりいってどうでも良し。) ただ単に調べたり、売ったり、広告したり、商品開発したりする個別の行為ではなくて、モノやサービスが売れていくすべての仕組みを作るということと理解ください。 ジャナニヤリャイイノ? ズバリ! 5つのことをやれば大きく外しません。 色々ありますが、結果を出すにはこれくらいで充分と経験から思います。 モノやサービスが売れる仕組みづくりには、普通の商売の場合以下の5つのプロセスで考えます。
感動の灯火
地方において地場産業や伝統工芸などの再生についてのお仕事や、講演の講師をさせていただく機会があります。 状況として多いのは、数百年にわたり続いてきた伝統的地場産業が衰退の危機に瀕している状況です。 機能としてのみの製品の役割は、最新技術の出現により代替製品にとって代わられており、「芸術品」としての付加価値で生き残っている製品が多い状況。 例えば、「わらじ」という歩くために足を保護する機能を持った履物がありましたが、今やスニーカーや革靴、サンダルに取って代わられて流通市場で見る機会は少ない現状です。 伝統工芸で多いのは着物などの布もの、食器、籠やおもちゃなどが多いですが、それらの機能での優位性はとっくに新技術製品に明け渡し、今は「芸術品」などに昇華しきれたものしか市場に存在していません。 一方、今日存在する生き残った製品は数百年間という長い間人々に感動を与え続け、時代に淘汰されずに人から人に伝えられ、息づいてきた「感動の証明」であると思います。 機能を越えたところにある付加価値、「歴史」や「伝統」、「物語」、そして「感動」は簡単に出来るものではありません。 またその感動の灯火を、私たち世代で消してしまうのか次世代まで伝えられるのか、非常に責任重大なことと感じています。