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1.障がい者が社会とつながる仕事 ②授産製品が売れない理由

「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」~弱みを強みに転じる生き残り方~1.障がい者が社会とつながる仕事  ②授産製品が売れない理由 福祉のプロフェッショナルによるビジネスの限界ちょっと手厳しいことを書いてしまいますが、お許しください。一部の成功事例を除けば多くの場合、授産製品は売れていません。よって生産や販売で得られる障がい者の工賃は非常に安いという現状があります。その理由の一つとして、製品そのものの「市場競争力のなさ」にあります。製品コンセプト、製品そのもの、価格、デザイン、販路、認知度・・・授産施設を運営する社会福祉法人等の職員の方の多くは、実際のビジネスを経験してきた人というよりは、福祉の勉強をされてきた「福祉の専門家・福祉のプロフェッショナル」です。自分自身が授産製品のマーケティング講座などでお会いして交流してきた職員の方々は、非常に優秀な方たちばかりで驚きます。こういってはなんですが、一般企業の社員の方よりもビジネスを本気で行ったら成功しそうな方もいます。しかし、今は生産活動を行って、収益事業を育てていく専門家ではありません。   一方で、ビジネスの最前線にいる企画や販売、プロモーションのプロフェッショナルが福祉業界で働くことは、そもそも仕事は少なく、多くないのが現状です。製品やサービスを開発して展開していくためのマーケッター、デザイナー、コピーライター、営業、PR担当なども含めた専門家は現場にいません。福祉の現場にビジネスのプロフェッショナルが「不在」なのです。   一般企業で働くことの難しい障害を持った方々の個性を活かしたビジネス構築は、一般ビジネスのプロフェッショナルにとっても難しい課題です。そういった難問に、福祉の現場の職員や保護者が取り組まなければならないという現状があります。よって、職員やサポートする家族による企画開発や販売については限界があり、他にはない個性と付加価値、市場競争力をもつ製品がなかなか出来にくいということがあります。売れていない製品の多くは、「没個性」のどこにでもあるような製品になってしまっていることがあります。 独自展開と職員のモチベーションまた一部の施設に見られる現象ですが、他に力を借りず「わが道を行く」という姿勢もあります。リズムの違いや価値観の違いもありますが、ビジネスのプロである外部の会社や組織と組んでの展開を行わず、あくまで自力での製品企画や販売を貫く施設もあるわけです。   福祉の仕事を選んだ人の中で、「商業やビジネスを志向しないから」という理由の方の場合は、なかなかビジネス界とのつながりを持ちたがらないこともあります。しかし、自力のみで事業展開を推し進めようとすると、うまくいく確率は下がってしまいます。  また稀にですが、職員の方の授産製品事業に対する「モチベーション維持の問題」もあります。職員の方のお給料は、授産製品の収益に連動することは少なく、行政からの業務委託費や助成金などから出る公費として一定の金額となります。   よって、授産製品のビジネスが成功したらメンバー(障がい者・施設利用者)への工賃が増えますが職員自身のお給料は変わらない場合が多く、一般企業の社員のようなインセンティブはありません。また多くの職員の方、施設を立ち上げ運営している親の方々はお給料などに関係なく高い志を持って取り組んでいますが、逆に事業に問題を起こしてしまったり失敗してしまったら組織内外での非難等もあり、なかなかモチベーションが維持できないという例もあります。    そして授産施設に通ってくる障がい者は、福祉サービス業者である施設にとってはある意味お客様です。メンバーが通うことで、その日数に応じてその事業所を運営し、職員の給与をまかなう売上が得られるのです。一般企業の同僚のように純粋に一緒に働く仲間ではないのです。就労継続B型施設の中では、授産施設であっても工賃アップなどを目指さず仕事など困難を強いなくて楽しく過ごすことを目的にしている施設もありますし、仕事などで事故などを起こすよりは仕事はしないほうが良いという判断をする場合もあります。   こういった面が、組織全体で営利を追求する一般企業とは異なります。しかし、今まで自分がお会いしてきた福祉施設で働く、障がい者の仕事づくりに携わっている職員の方々は、非常に志高く、情熱を持った人たちばかりです。そういった方々が実力を発揮しやすい環境の中で必要な力をつけ、のびのびと働けるようになればと思います。    コストの高さ  また、授産製品の多くはコスト競争力がありません。調達する材料費をとっても、より安く調達している企業より競争力はないことは明確。そして今や、企業はグローバル化し、日本の製造業も生産コストの低減を求めて中国やアジアなどに生産拠点を移しています。     低いコストで大量生産される海外の商品に授産製品が低価格で対抗していくのは無理です。そのために「如何にして付加価値を高めた製品に仕立て、工賃が稼げる収益事業を福祉の現場で作り出すのか」という、普通のビジネス活動よりも難しい課題を、職員が考え出さなくてはならないという現実があります。日本の流通の特徴授産製品の販売チャネルの現状としては、概して多いのは、「バザー」、「行政機関での販売」、頑張っているところで「直営店の設置」、「ネット通販」も行っていますが、一般流通市場ではあまり目にすることはありません。理由としては生産量や品質が安定しない場合が多いため、または一般流通に営業アプローチを行っていないということも。そして、授産製品の一般流通を阻む大きな問題があります。それは「日本の流通コストの高さ」です。日本の流通の特徴として、流通構造の多段階性と小売業の仕入れ価格の低さがあります。最近は「SPA(製造小売業)」の興隆で卸売業は減少気味ですが、依然海外に比べて流通に介在す ...

1.障がい者が社会とつながる仕事 ①働きたい意志のある障がい者を取り巻く環境

以前より書き溜めている、「社会的弱者のマーケティング」について、このブログで公開してみようと思います。 新規事業や製品開発、ブランド立ち上げをする仕事の中で、また授産製品等の販売をお手伝いするセルザチャレンジの活動として障がい者や最貧国の人たちがかかわる製品の開発を行ってきた中で、そして授産施設や企業向けのマーケティング関連セミナーなど活動の中で、様々な経験が得られました。 マーケティングを専門とするビジネスマンとして生きてきて、また何かの縁で障がい児の親になり、将来に不安を持つ当事者となった自らが取り組んでいくべきテーマでもあります。 ここでは社会的弱者がかかわる事業の作り方、世界でオンリーワンの製品・サービスづくり、強い事業・ブランドの立ち上げ方やそのプロセス、ポイントになることを、経営コンサルタント・マーケティングの専門家の立場と切り口からご紹介していこうと思います。 ...

夏の夜

夏の夜。今、望むだけのお金が手に入ったら、考えている新しい事業を、だれと、どんな事務所から始めようか、残り燃え尽きるまでどんな生き方をしようか、と考え中です。厄年を超えたちょうどいい年だし、大きな社会的意義のある事業を始める最後の挑戦。これがだめなら廃業。取り組むべき事業は定まってるけど、だれと、どんな所で、となると意外と難しい。だれ、は今まで人生であってきた尊敬できる人たちと一緒にやっていただければ嬉しいから、来週から口説きに行こう。またたくさんの方にお力を借りよう。最後だからわがまま言って力を借りよう。お金は小さくても始められそうだから、とりあえず横浜の政策金融公庫に行こう。また資金調達のプロを探そう。さて事務所。これは!と思う場所と事務所を東京であまり見たことがなく。いくらでも使って良かったらどんな場所にどんな事務所つくるかな?やっぱり東京か、横浜か、地方もアリなのか。来週から知人友人の職場見学に行こう。夏が終わったら、これから人生の総決算と思って、今まで出会ってきた一緒に生きてほしい人と、強烈な事業を、やりたい放大やってみようと思ってます。https://www.facebook.com/teshimad

四肢麻痺・筋ジスの方向けパソコン操作ソフト「FaceMouse(フェイスマウス)」

*フェイスマウスは2011年より株式会社トライフ(https://trife.co.jp/outline/)により日本市場へのサービス提供サポートを行ってきましたが、2015年より在イタリアのコーペラティーヴァ アイダ オンルス社が直接日本のユーザー様においてもサービス提供を行うことになりました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 FaceMouseは、パソコンに市販のWebカメラを取り付け、手を使わずに、使用者の鼻や顔の一部を動かすことで、カメラに映してマウスを移動させ、クリックを行えるソフトです。 ...

インフィニストリアから新アイテム発売

    弊社ライセンスブランドのインフィニストリアから新アイテムが発売されました。ホームページインフィニストリア フェイスブックインフィニストリアFB全国の洗練されたヘアサロンや新宿伊勢丹ビューティアポカセリーなどで展開してまいります。インフィニストリアの売上の2%は一般社団法人セルザチャレンジに寄付され、障がい者の仕事づくりを通した自立支援活動に役立てられます。 セルザチャレンジFBどうぞよろしくお願い申し上げます。

She with Shaplaneer

  昨日は、「She with Shaplaneer」のプロジェクトメンバーである、1972年設立の日本の国際NGOの先駆け、評議委員も務めさせていただいてます特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会の担当の皆さまと一般社団法人セルザチャレンジの担当メンバーでのミーティングでした。  新メンバーも加わり、キックオフを行いました。 

2012/7/4|Categories: オーガニックコスメブランド|

父との最後の旅行

ソーシャル&エコマガジン「ソトコト」7月号の「私のニッポン 海と山の滞在記 」に父親と訪れた松山・興居島の滞在記を紹介していただきました。 今月の特集は「楽しい海と山の滞在計画」。夏を前にさまざまな人のオススメ、島や山での楽しい過ごし方情報がいっぱい。また、気になるソーシャル&エコな記事が満載です。ぜひ読んでみてください。 ...

2012/6/5|Categories: つれづれ日記|

WWDビューティーVol220 オーガニック&ナチュラルコスメ大特集

本日発売の、WWDビューティー オーガニック&ナチュラルコスメ大特集「キーパーソンたちが語る オーガニックの本質」に取材していただいた記事が掲載されました。創刊当時からオーガニック・自然化粧品の特集を組んできたWWDビューティー誌ですが、過去最大ボリュームの特集号です。http://www.fashionnews.jp/wwdb/detail.php?id=563

2012/5/31|Categories: 執筆活動|

朝日新聞夕刊に取材記事が掲載されました

朝日新聞夕刊、ファッション面「オーガニック・ナチュラルコスメ特集「成熟する自然派化粧品」にて取材記事が掲載されました。 ぜひご覧ください。 http://www.asahi.com/ 以下、以前からのナチュラル・オーガニックコスメ関連資料をまとめました。 ...

2012/5/31|Categories: オーガニックコスメブランド|

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