140年の歴史を持ち、化粧品のトップ企業である資生堂のブランド戦略に関する本。

Dsc03495

ブランドビジネスについて、いくつも参考になる部分がありました。

資生堂のブランドの定義

①会社やブランドについて、歴史や物語があること

②研究や技術の蓄積があること

③高品質でそれにふさわしい価格設定であること

④人から人へ手渡しされるものであること

⑤ブランドのポジショニングを高めるために、マーケティングが厳しい自己規制を行っていること

⑥創業者、経営者の人間性が見えること

⑦伝統を大切にしながら、絶えざる革新を行うバイタリティがあること

⑧世界的であること

④が面白いなと思いました。

 

「商品をしてすべてを語らしめよ」

初代社長の製品哲学とのことですが、いい言葉ですね。

商品そのものが企業精神や企業活動の精華でなければならない、アウトプットがすべて。

これは人の生き方にも当てはまることと思います。

すべてを注ぎ込んだ、製品、ブランド、そして自らの生き方を作り出していけるように精進あるのみですね。

ブランドマネージャー制

資生堂が2005年から取り組んでいる制度

「ひとりのブランドマネージャーが『お客さま価値の最大化』という視点で、商品開発から施策立案、コミュニケーションまでをマネジメントし、モノづくり・価値づくりを強化していく体制を作るというもの。

多くの大組織での弊害は、ブランドをトータルでプロデュース・施策の実行ができない環境があって、各細分化された部署の担当者が寄せ集めた柱のないものになりがちであり、結局は外部や消費者へのメッセージやインパクトも弱いものになってしまう。

逆にブランドマネージャーがマーケティング戦略の立案から、商品開発、プロモーション、広報までを一貫してマネジメント・実施できる場合は、強いブランドができる。

ブランドマネージャー個人への負荷は当然高くなるが、プロジェクトチームが目標を共有化できれば求心力は高まるし、結果的に事業の成功が得られるということである。」

やはりブランドマネージャーによる強いリーダーシップと、しっかりとしたマネジメント、抜け漏れのない施策の実施をスピードをもって確実に継続して実現、さらにその先にももう一歩またもう一歩あって、その絶え間ない努力が結実した時にやっと数%の確率でブランドの成功は得られるものと思います。

ブランドマネージャーが、オーケストラのように組織を指揮して適確なタイミングで最大の攻撃力を作り出す。
 
 
前へ前へ。

「立ち上がりこそがブランドの成功」

ヘアケアブランド「ツバキ」の立ち上げのときに掲げた目標とのことですが、まさにその通りと思います。

立ち上がりでしょぼかったり、こけたりしてはこの先はないと思います。逆に立ち上がりがうまく行けば、後々少々の落ち込みがあってもリカバーできると思います。

古来から戦もそうですが、すべてを立ち上がりに賭けるということは大切なことと改めて認識しました。
 
 
必死で策を繰り出して、繰り出して、一点突破。

気がつけば未来は手の中に。

 

という感じでしょうか。

この本、ビジネス事例として興味深く読めました。
  

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