最近「もしドラ」ブームもあり、ドラッカーと経営や商売についての講演の機会が多くなりました。
先日は広島県の商工会議所に伺いました。
以前にも同じようなことを書きましたが、自分がドラッカーを知ったのは、15年ほど前に経営の勉強で中小企業診断士の資格に挑戦を始めたとき、経営基本管理の科目で出会いました。
先駆者というわけではなくドラッカーの出現以前も、マネジメントについて多くの学者が研究を行っています。
それは産業革命後、それまで各自が農場をもったり、家内工業をおこないそれぞれでビジネスを行っていましたが、資本家が現れ、従業員を雇い一つの機械や工場を使わせてのビジネス活動を行うようになると、人や組織をマネジメントする必要が出てきたのです。
そして生産性を調査するために様々な実験が行われてきました。
部屋を明るくしたら生産性は上がるか、組織をライン・スタッフ型にしたら組織効率は上がるかなど。
簡単な略歴ですが、ドラッカーはそんな研究が進む1909年にウィーンで生まれ、1930年ごろにドイツで新聞記者になります。
ナチス政権下アメリカへの亡命などを経て、転機が訪れたのは1940年ごろ。
当時世界最大の企業といわれたゼネラルモーターズの調査依頼でした。
企業とは何か、マネジメントとは何か、という命題の調査結果を出版したところ、世の中の支持を得てマネジメントの発明者として名が知られました。
その後大学教授をしながら複数の本を執筆。
有名な「マネジメント」は1974年64歳の時、それまでの集大成として出版したといいます。
そして60冊余りの本を書き続け、2005年に95歳で亡くなっています。
何十年も前にドラッカーの説いた考え方は、ビジネスにおける普遍的なものとして現代でも通用し、いまだにこうして注目されています。
自分自身も、ドラッカーの考え方によりビジネスや自身の生き方などを指針をもって進めてくることができました。
特に「マネジメント」でドラッカーが力説していたのは、「企業とは何か」・「自分の行うべき事業とは何か」・「人を活かす」・「社会に貢献する」・「顧客創造」などについてです。
ビジネスも人生も「己を知る」ことはとても重要ですし、「自分のやることとやらないことを決める」ことも大切です。
また、「企業の目的」のひとつである「顧客創造」には「マーケティング(売れる仕組みづくり)」と「イノベーション(社会的な変革)」が必要と説きましたが、まさに事業活動やゴーイングコンサーンにもっとも必要な普遍的な2要素といえます。
ドラッカーの書籍は膨大ですし、ちょっと難解な部分もありますが、セミナーでは「自社・自分のやるべき事業・事の見つけ方」や「マーケティング戦略に従った具現化の方法」、「自社や自分への変革の起こし方」など、マーケティングやイノベーションについてシンプルに具体的にその手法や事例をお話しするようにしています。
ぜひ機会があれば一度、ドラッカーの「マネジメント エッセンシャル版」を手に取って読んでみてください。
非常に奥深いです。
経営やブランド事業、自分自身の生き方に参考になる要素が詰まっています。