「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~
27話にわたって書いてまいりましたこのコラムですが、今回で最後です。
最後が最新ページとなってしまい読みにくくて恐縮ですが、本当は1話から読んでいただきたいので、ぜひ順に読んでいただけると幸いです。
~~~~~~~
1話序文(再掲)
以前より書き溜めている、「社会的弱者のマーケティング」について、このブログで公開してみようと思います。
新規事業や製品開発、ブランド立ち上げをする仕事の中で、また授産製品等の販売をお手伝いするセルザチャレンジの活動として障がい者や最貧国の人たちがかかわる製品の開発を行ってきた中で、そして授産施設や企業向けのマーケティング関連セミナーなど活動の中で、様々な経験が得られました。
マーケティングを専門とするビジネスマンとして生きてきて、また何かの縁で障がい児の親になり、将来に不安を持つ当事者となった自らが取り組んでいくべきテーマでもあります。
ここでは社会的弱者がかかわる事業の作り方、世界でオンリーワンの製品・サービスづくり、強い事業・ブランドの立ち上げ方やそのプロセス、ポイントになることを、経営コンサルタント・マーケティングの専門家の立場と切り口からご紹介していこうと思います。
取り上げるメインテーマは障がい者の手による製品・サービスについてですが、一般企業の経営や個人の生き方戦略にも当てはまる話と思います。
経営者の方や、特に消費財や雑貨・ファッション製品のマーケッター、新規事業や企画担当、デザインやコピーライティング、広報や営業・販売等を行う人、また就職活動や転職活動などで自分の進むべき道にご興味のある方は、ご自身のことに置き換えてみて読んでみていただけると良いかもしれません。
授産施設の職員の方をはじめ、多くのビジネスパーソン、経営者、地域の中小事業者、福祉職の方、NPO・NGO職員、フェアトレードに携わる方、プロボノを目指す方、社会起業に興味のある方、CSRの担当者、学生、障がい者を家族に持つ方などに、何らかの気づきや考える機会が得られ、すこしでもお役に立てられれば幸いです。
それではよろしくお願いたします。
~~~~~~
おわりに
みんな使命を持って生まれてきた 自分にしか出来ないことがある
常々思うのは、みんなそれぞれに大きな役割をもって、生を受け生きていると思います。
「自分にしか出来ないこと」、自分の「使命」があります。それは、家族や友人を大切にすることかもしれないし、仕事を通してビジネスに貢献することかもしれないし、様々です。
障がいを持ちながら働く意思のある人も同じです。縁あって、障がいを持つ人の仕事づくりに取り組んでいる方も、とても大きな使命と役割を持たれていると思います。
その自分にとっての使命に早く気付いて、何かをはじめらることは素晴らしいと思います。
今日もどこかであなたの助けを待っている人がいます。ぜひ、自分ににしか出来ない素敵なことで、応えてあげられればこれが「自分の存在理由」と言えるのではないでしょうか。
今の職場の中で、これから取り組もうとする仕事の中で、自らの力が求められていると思います。
授産施設の職員の方の場合は、いま施設で働くことに挑戦するメンバーを導いていける人は誰でしょうか?「生きる」ことを最大限にサポートできる人はだれでしょうか?
何かに導かれて携わっているご自身にしかできない使命に、ぜひ日々挑戦していただければと思います。
信じた道を行く
こうして、ビジネスやマーケティング、その他のことを紹介してきたわけですが、自分自身の様々なきっかけも、ちょっとした偶然から訪れました。何をやっていいのかわからない日々の中で、何かに導かれるように目の前のことに取り組んできただけです。
障がい児を授かった瞬間は得も知れぬ不安とやりきれない気持ちになりました。しかし、今はそれは自分にとっては素晴らしい贈り物だったと本当に感謝しています。
事業について個性を活かすことが大切と力説しましたが、生き方として平均点から落ちこぼれの自分は逆に個性を活かしていかないと生きてこれなかったのです。自分にとっての逆境も、これが試練で使命と信じることで何とかやってきました。ビジネスについての取り組み方も、そこから自然に学べたのです。
日々取り組み、これから始めようとすること。それはとても難しくて、大きな課題で、大それたことかもしれません。
自分たちの生き方が本当に正しいかどうかは誰にも分からないこと。しかし信じればそれが一つの「真実」となるのです。 皆様も、自分にとってこれが真実だと感じたときには、ぜひ勇気を出して歩みだしてほしいと思います。
一歩踏み出すのは一歩、失敗して下がるのも一歩。そんな一歩なら踏み出してみてもいいじゃないですか。
また、何かをはじめる時にいつが潮時というのはありません。何かに対する想い、情熱が強ければ、世の中のほうが変わるのです。今からでも遅くありませんし、早すぎることはありません。
自分の信じたことを愚直に続けていると、どこからか同志が現れます。また苦しい状況に追い込まれても、どこからか助っ人が登場します。
自分を信じ、自分の個性を活かしていくこと。本当に大切なもののために、かけがえのない愛すべきもののために、熱い想いを多くの方と共有して道を進んでいく、こんな生き方が出来たら。
日々うまくいかないことも多いです。くじけそうになることばかりです。生きていくということは本当につらいです。しかし、だれかがどこかで見ています。そして夢見たことはいつか実現できると思います。
未来は自分たちでつくる 情熱が未来をつくる
未来はワクワク感でいっぱいです。未来は僕たちで創るもの。そんな素敵な未来を一緒に創っていければこんなに素晴らしいことはありません。
今回のテーマのように、障害などを持ち社会的に弱い立場の人が、仕事をして生きていく。
そのために周りのサポーターがビジネスやマーケティングのプロフェッショナルになる。
どうしたらその難しい問題を解決して、事業を成功に結び付けられるのか?
それは、自分たちで新しい「社会的弱者のマーケティング」を作り出せばよい。
そうなった時に、「弱者」という言葉はなくなる。
そもそも「弱者」なんかではない。
困難を持ちながらも力強く生きている「強い人」。
その強さをそれぞれの強さで補い合う仲間となり、共に生きていく未来をつくる。
誰も一人一人はデコボコで弱い。
皆の力が合わさりそれが一つになった時、皆で本当に「強い人」になれる。
社会的に立場の弱い人が関わらない仕事でも、今の時代に事業を行ったり、仕事をして生きていくことは簡単なことではありません。
日々新たな視点をもって、ベストを尽くして取り組んでいく必要があります。
それぞれの課題はとても難しいものばかりです。
しかし、この地でこれからも生きていかないといけません。
皆で力を合わせれば作れない未来はないと思います。
そんな未来をつくるのは、、
今これを読んでいるあなたでしょう。
おわり