エココロの今月号に興味深い記事を見つけました。
この4月グッチグループのイブサンローランパルファンから、「ステラ・マッカートニー」のスキンケアシリーズが発売されるそうです。
そして目を惹いたのは、この化粧品はすべてオーガニック認証機関ECOCERT(エコサート)の基準をクリアした化粧品という点です。
このECOCERT(エコサート)は、パティカやロゴナ、サノフロール等の自然化粧品ブランドが認証取得している世界的に有名なオーガニック製品の認証機関です。
ステラ・マッカートニーさんは菜食主義や毛皮不使用宣言で有名ですが、彼女のブランドで世界的に有名な企業がオーガニック認定化粧品を出したということが新鮮に感じました。
ナチュラルスキンケアやオーガニックブームの中、世界の大手化粧品会社もそれぞれナチュラル系ブランドを展開し投資しています。
エスティーローダーのオリジンズやアヴェダ、ロレアルが買収したボディショップ、資生堂のナチュラルズや草果木花、コーセーアルビオンのポール&ジョー等、洗練されたブランドが多いですね。
大手化粧品会社はなかなか植物系からさらに、からだに悪そうな農薬を使わない植物を原料としたり、危険が危惧される原料を使わない化粧品という、もう一歩先の消費者ニーズの核心に手をつけられない状況があると思います。
それは、「それじゃ今まで売っていたもの、その他のブランドってからだに悪いわけ?」、「今まで投資してきた化学プラント工場はどうやって償却するの?」、「原料コストを上げたら今までの販売にまつわる巨大な広告宣伝費や別注容器代、人件費での収益体制は維持できるのか?」をという自己否定を招いてしまう危惧があるというのも一つの理由であると考えられます。
消費者視点でストイックにからだへの安全性を追求した製品はしがらみから作り出しにくい、大型設備投資を重ねてきた工場で生産できる化学製品から手間のかかる化粧品への転換は難しい、大量流通・大量販売に対応した弱保存料の製品は作りにくい、そもそも大量宣伝・大量販売のほうが効率良く、投資効果の高いビジネスとなる。。。
そんなジレンマがあり大手の身動きが取れない中、新規参入の無名の小さなオーガニックブランドに少しづつ市場を侵食され始めていた感のあるこの数年である思います。
今回イブサンローランパルファンという世界的に名の通った会社も、将来性のあるカテゴリーへの参入を始めました。
イブサンローランパルファンはもともと香水の会社ですし、買収したグッチも化粧品ブランドはないのでしがらみがなく参入しやすかったと思います。
このECOCERT(エコサート)認定のお洒落なスキンケアライン。
美を形成するものとして洗練性を兼ね備えながら、安全性もある製品。
作り手の都合ではなく、これが消費者の求める本来のものであると思います。
消費者にとっては、選択肢が増え良い環境になってきたと共に、化粧品業界の流れを変える大手企業の第一歩であると感じでいます。