(昨年のビオファ・オーガニックEXPOのガイドブックに寄稿した文章をここでもご紹介してみようと思います。)
⑥大きな市場での挑戦と今後の可能性本物のみが成功できる時代に
オーガニック・自然化粧品の市場は伸びているといっても、2兆円を越す日本の化粧品市場から見れば各社の売上げを合計してもほんの小さなものである。
しかし、時代の流れはナチュラル志向に向いており、それが逆行するということはあまり考えられない。
今後、この大きな市場で、多くのプレイヤーが力をあわせながら競争し生き残っていくことになるが、各社様々な課題を抱えながら真摯にスピードを持って取り組んでいく必要がある。
後数年で、オーガニック・自然化粧品というものは、一般化粧品と境目がなくなりごく当たり前のポジションになっているものと考えられる。
現在は、時代の一つの最先端を進んでいるオーガニック・自然化粧品を扱う企業も事業の本質を見つめ、多くの中から一歩抜き出る動きをとっていく必要がある。
これからは、今までのようにニッチマーケットでの限られたプレイヤー同士の勝負というわけにはいかない。
また競争は国際間となっており、今までのように海外で売っているブランドを日本市場に持ち込んだだけで、必ずしも日本市場での成功を得られるものではない。
消費者もバイヤーも目が肥えてくれば、目新しさだけでは動かすことが出来ず、ブランド・製品の真価が問われていく時代となるであろう。
ブームとなった日本市場においてはもはや数多のブランドが市場にあり、今後もあるブランドの成功を追いかける新しいブランドが限りなく増え続ける。
この激しい競争の中で勝ち残っていくためにはしっかりとした戦略の立案と実行が成功のために不可欠なこととなる。
ターゲット、ニーズ、独自能力を軸とした商品・ブランドコンセプトの明確化、伝えるためのコミュニケーション戦略、そして消費者に届けるために最適なチャネル戦略と、付加価値を生み続けるブランドマネジメント等々。
これらを社内外のパートナーと組んでじっくりと考え、それぞれの打ち手をオーケストラの指揮のようにタイミングよく繰り出していける企業・ブランドのみが大勢の中から抜け出し、輝きを放つことができる。
そして限りなく大きいこの市場で、同カテゴリー市場が急激に拡大している分、自社の成功も非常に大きいものとなるであろう。
オーガニック・自然化粧品を取り巻く市場環境 おわり