当初ブランド名を決めるときは少々悩みました。
何という名前でも別によく、ゼロからブランド名を決めて良いので、無限の選択肢があります。
化粧品に「アグロ」という言葉の響きもどうかな~?と思っていたのでもっと洗練されたエレガントな名前にすることも出来ましたし、商品カテゴリーごとにブランドを分ける、香り等のシリーズごとにブランドを分ける、、、、無限です。
AGRONATURAはビオリーブスと関係のある、地元にあるいくつかの農業団体のうちの一つの名前です。
意味は、アグリカルチャー(農業)とナチュラル(自然)で、自然農業というベタな名前で、海外ではどこにでもある一般名称です。あまりに一般的すぎて西洋圏での商標登録は難しく、日本でも商標登録も出来るのかどうかわからないものでした。
しかも、ド田舎の農業団体の名前なのでブランド名というわけでもなく、当時AGRONATURAが作っていたのはOEMのハーブティー用のハーブリーフやエッセンシャルオイル、芳香蒸留水という原料のみでは化粧品など存在するはずもなく最終製品も何もないし、地元イタリアでもこの名前AGRONATURAは認知度ゼロの誰も知らない名称です。
どうかな~と何日か考えましたが、「自然農業」という名前を化粧品ブランド名にしちゃえということに決めました。
農業団体としては、AGRONATURAという名前を化粧品に使うことは、当時これほどの事業になるなんて夢にも思っていなかったでしょうし、ああそうなの的無反応でしたが、自分達の名前が遠い東洋の国で使われるということで喜んでいました。
次に考えたのは、全体ブランド、サブブランド等の設定です。
AGRONATURAは、他のブランド品のような企業名ではなく、農家を束ねる団体の名前です。
そして、農家はそれぞれ、アントスやビオリーブスのような個別の名前を持っています。
また、ビオリーブスもアントスもそれぞれ独自でハーブ原料等を生産していました。
化粧品にはエッセンシャルオイルも芳香蒸留水やリーフも大した量は使えないので十分あり、また自宅で生産できないハーブ原料や界面活性剤などのケミカル原料は独自で調達しており、今まではAGRONATURAからはハーブ原料を一切買ってない現状もありました。
そして、北イタリアで生産できないハーブ原料は、AGRONATURA自体もフランスや他の地方から外部原料を輸入して用意するという状態でした。
当初考えたのは、あまりブランド名を多くするとわかりにくいので、少ない量ですがいくつかの原料をAGRONATURAを通して買って使ってもらうことをアントスとビオリーブスにお願いし、各工房が作ったものをすべてAGRONATURAブランドに統一してしまおうということでした。
そうしたほうが、ブランド認知も一つで簡単ですし、何個もあってわかり難いということがないと考えたからでした。
しかし、製品の開発を進めるにつれ、それぞれの個性を持つ工房の製品を、単一ブランドで展開することは難しいと考えるようになりました。
かなり製法や得意なところに個性の違いがあったのです。
また、それぞれの工房の個性を謳っていったほうが、より信頼性のある愛着の持てるブランドになるのではないかと考えました。
そこで、全体的なブランドとしてAGRONATURA、そしてサブブランドとして各工房が作ったもので分ける形で生産者別のサブブランドをシリーズとして設定したのです。
AGRONATURAブランドのアントスシリーズといった感じです。
これで、すっきりしました。
ついでに、現地での呼び名はアグロナトゥーラであり、アグロナチュラではありませんでした。
ここで、後半をナチュラにするかナトゥーラにするか迷いましたが、日本人にとってはナチュラルという
英語のほうが意味を理解しやすいと考えて、アグロナチュラにしました。
というわけで、「自然農業」と言う意味の「アグロナチュラ」という化粧品ブランドが誕生したのです。
まったくいい加減なものですが、実は何でも良かったというかなり適当な命名やベタな名前でもブランド展開のやり方によっては無名状態から素敵に認知されていく良い例だったと思います(笑)。