当初取り組もうと思ったカテゴリーは、ボディケア製品です。
シャンプーやボディシャンプー、ハンドクリームといった、顔に用いない体用の化粧品類から参入を考えました。
それは、外部環境・内部環境を把握、SWOT等を考慮し、今の現状の会社として取り組むべきドメイン(事業領域)を明らかにしていった過程で決めていきました。
外部の市場環境は、米国の新たな動きであるLOHASという言葉も出てきて、今までの健康志向にプラスして、環境志向やより洗練された形での自然に近い商品や営み、ヨガ等のスポーツが注目されてきているときでした。
雑誌も、ソトコトやエココロ、マイロハス、KU:NEL、天然生活、リンカランなど自然系のものも多数出ていました。
そして、多数の自然派ボディケアブランドも日本に定着し始めてきたところでした。
これらの機会と脅威がありました。
内部環境としては、イデアインターナショナル社の最も大きな強みは日本全国の雑貨・ライフスタイルショップへのチャネルカバレッジが挙げられます。
ほとんどの雑貨・ライフスタイルショップと取引を行っていて、その小売店に販売できる体制がありました。
そして、小さなトランザクションにも対応する受注・発送体制を有していました。
一方弱いのは、化粧品の経験が一切ないこと、化粧品が通常売られている百貨店や化粧品店、そして直営店といったチャネルを有していないこと。
また、アグロナチュラ自体のブランドはまったくの無名で、ブランド価値を持たないこと等です。
いきなり直営店を多数出店して運営していく資金力に制限があること等でした。
そしてやはり、顔に使う基礎化粧品は非常に高い品質と安全性、そしてブランド価値が要求され、またある程度カウンセリング販売が重要なのではと思いました。
一方、ボディケア製品であれば今までの取引先である雑貨・ライフスタイルショップのセルフ販売でも販売できるし、顔に使う基礎化粧品レベルのシビアな品質とカウンセリング販売はそれほど必要なく、はじめられやすいと判断しました。
また、ライフスタイルショップやセレクトショップには、現状の多くのシャンプーやハンドクリームが販売されているドラッグストアやスーパーと違って、ブランドロイヤリティ(ブランドに対するお客様の忠誠度)の非常に高いショップがあり、そちらで扱っていただくことで、無名のブランドの認知もロイヤリティも向上すると考えました。
そんな仮説を立てていました。
多くのマーケティング資料も集めたり作ったりして参考にしました。
ここから、現場100回の毎日が始まりました。
多くの海外ブランドの直営ショップやセレクトショップ、百貨店での他社製品の調査・購入・使用、ネットショップでの調査、ネット上の各製品の口コミ・成分の危険性を謳う書籍の乱読、、、
5月の連休明けから取り組みだしたリサーチ~ドメイン・ブランドコンセプトの設定~マーケティング戦略概要の策定~開発製品の決定~各商品コンセプトの策定といった流れでしたが、短期間にボディケア製品について非常に詳しい状況になりました。
そこで気がついたことは、まず外国製の輸入製品は日本の風土(軟水や湿度)、日本人女性の嗜好に完全に合っているとはいえないこと、そして内外価格差があり日本での販売価格が高いこと、オーガニック認定等の安全基準が明確になっていない自然風製品が多いこと、真面目で安全性の高い製品であればあるほどデザインが洗練されていないこと、そして洗練されたショップで売ってないこと、イタリア製のボディケア製品が少ないこと、、、
等々でした。
要は、日本人向けに作ってあって、安全性が高く第三者機関でも証明された、毎月買える安い、お洒落なものが、お洒落なところで売ってないということでした。
そして、ありあふれるこの日本市場のボディケア製品のなかで、アグロナチュラボディケア製品を競争優位性のあるユニークなポジションにするコンセプトを模索しました。
「健康と暮らしにこだわる日本人女性をターゲットに、日本の風土・日本人の嗜好にあった世界基準の安全性の高いボディケア製品を、洗練されたパッケージとリーズナブルな価格で、洗練されたチャネルとプロモーションにより提供する」
そんなコンセプトから開発は進められたのです。