最近再会した、最初の会社での同期の友人が面白い取り組みをしています。
新人研修時代は2人部屋の同部屋でしたが全く別々の道を歩んで15年ぶりに再会、そこでそれぞれ障がい者の生活を変える取り組みをしており感激しました。
ソーシャル空間デザイナーの桑波田謙さんは、視覚障がい者を中心としたハンディキャップのある人も過ごしやすい環境づくりに現在取り組んでいます。
最近彼が開発しているのは、視覚障がい者のための、「屋内用点字ブロック」です。
日本で考え出された点字ブロックという素晴らしい道案内がありますが、現状は野外敷設がメインです。
室内に入ったら視覚障がい者のための道案内の点字ブロックはなくなり、室内ではそのような案内がなくトイレにもひとりで行けない現状がありました。
「室内においてもトイレぐらいは一人で行けるように」という彼の想いから「屋内用点字ブロック」の開発は始まりました。
現在、文部科学省や横浜市の助成金を受け、多くの視覚障がい者および研究機関とともに開発しその技術を生み出しています。
屋外用点字ブロックは野外の使用には最適の仕様になっていますが、室内においては突起面が高く車いすの方や高齢者にとってつまづきが多く、室内での使用には不向きでした。
屋外用の点字ブロックの良さを室内にも活かすという新商品は小さな突起で安全性が高く、視覚障がい者以外の車いす利用者や高齢者、身体障がい者にとっても安全なプロダクト、より人にやさしい環境づくりができるもの。
特許を既に4件出願中で、すでに東京都大田区役所への導入事例もできました。
http://www.city.sanda.lg.jp/kikaku/documents/sintyousya03-siryou03.pdf
そして実は、2011年4月に金融庁の金融機関監督指針が改定され、屋外からATMコーナーのマシンまで点字ブロックを敷くように規定されたのです。
全国1万7,000箇所で大掛かりな改修工事が実施される見込みで、今後コンビニや公共施設への波及も期待できます。
今現在、一人でコツコツと進めてきたこの取り組みを世の中に広げ、多くの人が過ごしやすい社会にできればと、応援したい気持ちになりました。
もし皆様の店舗や建物で、室内用の点字ブロックを設置していただける方はご連絡いただけましたらと存じます。
また彼はソーシャル空間デザイナーとして、視覚障がい者をはじめとしたハンディキャップのある人もない人も快適に過ごせる空間づくり、内装およびサイン設計の第一人者。
目の総合病院として有名なお茶の水にある日本最大の眼科である井上眼科クリニックをはじめ、済生会病院や千代田区役所なども手掛けています。
そして彼の事務所には、視覚にハンディのある友人たちがよく訪れ、友人として楽しく交流している姿を見ます。
洗練されていながら機能的、そして理屈抜きに心地よい、そんな場所を目指して。
何よりやさしく温かい正義感のある人柄が障がいのあるなしをこえて多くの友人や仕事を生んでいると思います。
現在新しいかたちのソーシャルスペースとして、お手伝いできる物件を探しております。
みなさまの方で、病院や介護施設、公共施設や宿泊施設、オフィスなどの建設や改装などの計画がありましたらぜひご相談していただくと、今までは気づくことのなかった様々なことに配慮した新たなソーシャルスペースが生まれると思います。
どうぞお気軽にご相談ください。
クワハタデザインオフィス
http://www.kuwahata-design.co.jp/