「社会的弱者による製品づくりに学ぶ、世界でオンリーワンになるためのマーケティングと経営」
~弱みを強みに転じる生き残り方~
3.事業を成功に導くには
⑤戦略や知識を身につけた上でその先にあるもの
神がかった追い風
ビジネスとは不可解なものです。確かな戦略に練りに練って正攻法でせめても、同じような製品を同じ様に売ったとしても、時期と状況によってまったく反応や結果が異なることがあります。
机の上の戦略とは別のところに、「商売の運気」というものはあって、その運気をタイミングよく掴み、風に乗らない限り事業はうまくいかないのです。
事業やブランドの成功には、時代の機運や必然性など大きなうねりの中で、「神がかった追い風」が起きるもの。 世の中にはそんな風が吹いているのです。その風向きが読めるようになったら天才ですが、努力しだいでは感じる力を養うことができると自分は考えています。
風向きを読む力の会得には
この風向きが読める力の会得には、ロックバンドの成功事例や長年活躍しているロックミュージシャンのアウトプットを研究しています。場の空気を捉えて、呼吸を読み、ライブ会場を盛り上げる能力と、新しい曲を発表し続ける先見性、多くのメンバーと息を合わせて共に音を出し、演奏をして感動を与えるアウトプットをする能力は音楽ビジネスが結構参考になると思っています。
特に、長く音楽ビジネスを続けているローリングストーンズや故忌野清志郎さん、矢沢永吉さんの活動を研究していますが、非常に参考になることが多いです。
ライブとレコーディング
新しい事業や製品をつくりだす際に、自分自身が行っているやり方としては、たくさんの人と会って自分のビジネスややりたいことについて話やプレゼンテーションをしています。そして、多くの人の反応を見、意見を聞くのです。「どんなところに人は面白みを感じるのか」、「共感得られるのか」、「逆にあまり興味を示さないのか」、その気配を知ることが新しい価値を具体的に形にしていく際に大切なネタとなります。これはライブ活動と同じです。
そして内容をより良くしていき、ライブで人気のある曲をレコーディングするのと同じように事業や製品を作っているのです。当然レコーディングに至らなかったボツの曲もたくさんあります。
「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」
また、生き方についても同じです。自らのベストを尽くした上では、最後の運は風まかせです。思い通りにならないことは多いですが、それも人生です。その代わりに、悔いを残さない日々を生き、一日一日自分のベストを尽くしてやるべきことをやりぬくことです。できるかできないかで悩む必要はありません。やると決めたら、やるだけです。
運そしてチャンスは、万人に平等です。世の中の風を感じ、人の機微を読み、それを捉える。非常に難しいですが毎日挑戦していかなければならないビジネスや人生に大切なことといえます。
トーマツコンサルティング時代の先輩である国京さんにいただいた武者小路実篤さんの詩です。
もう一息
もう一息というところでくたばっては何事もものにならない
もう一息それに打ち克ってもう一息それにも打ち克ってもう一息もう一息
もうだめだそれをもう一息勝利は大変だ
だがもう一息
どこかで誰かが見ています。いつかその努力が認められる時が来ます。事業も生き方も「自分を信じて前進あるのみ」。
「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」、です。
つづく