最近雑誌や知人の間でも何かと話題のステラマッカートニーのオーガニック認定基礎化粧品。

イヴサンローラン・グッチ・パルファンという世界的な大手ブランド企業が、エコサート認定付きのオーガニック化粧品を発売するということで気になっていました。

https://trife.co.jp/⑦オーガニック・自然化粧品コラム/125/

日本では未発売ですが、ちょっとお先に簡単なインプレッションを書きたいと思います。

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コンセプト

「効くオーガニックコスメ」オーガニックファーマシーもそうですが、最近の流れでしょうか。スローからアクティブにという感じ。

基本的にはもともとハーブは薬用ですし、セラミドやヒアルロン酸など最新テクノロジーで解明されてきた有効成分も植物から得られるものですので効くことが当たり前ですが、今までのオーガニック化粧品にアクティブなコンセプトで売ってきたブランドが少なかったために取ったポジションかなと思います。

また、ヒッピー系だったりストイックな感じが多かったオーガニック化粧品が、第2世代に移行してお洒落な感じでプロデュースされているのが新しいですね。

そして、自然成分使用というものは多く出現していますが、オーガニック認定まで取ったお洒落系ブランドは珍しい。

成分にオーガニックのものを使用と謳うものはいくつかありますが、製品としてエコサート等の認定を取るのは一定の規準が必要で、手間もコストもかかる上に、生産量や流通期間も限定されるため大企業はなかなか手が出なかったスペック。

これが最大のUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)かなと思います。

エコサート
http://www.ecocert.fr/

 

アイテム

クレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液2種、美容液3種の8アイテム。

乳液と美容液はアイテムそれぞれの違いが実際に分かりにくいですが、機能を強調したいコンセプトがあるのであれば美容液もこれくらい細分化されていてアイテム数があっても見せ筋として良いと思います。

パッケージ

とてもよいと思います。外観は今までのオーガニック化粧品になかった洗練度と奇抜性があります。

シルバーの紙筒に入っているのですが、シンプルでありながら高級感も出ていています。また、成分表記は紙筒を覆うビニール部分に印字されており面白いですね。

中身の容器はプラスティックのもので、コストのそれほどかかるものではないですが、とてもシンプルに綺麗に仕上がっています。

オーガニック化粧品の多くは、空気を通すという理由やリサイクルの観点からガラス容器を多く使う傾向にあると聞いたことがありますが、美容液1アイテムのみガラス瓶、化粧水のアルミ缶以外はプラスティック容器にしてあります。

エコサート認定を取得する内容にコストがかかるための、一番お金のかかる容器のコスト圧縮と想像しますが、この点は少し残念と思いました。

環境を考えたリサイクル性、品質保持の機能性、高級感等を考えるとガラス製のほうが石油から作るプラスティックよりもより良かったような気がしました。

内容成分

水、ハーブの芳香蒸留水をベースにエッセンシャルオイル、エキスなどを使用、植物性の合成界面活性剤やアルコール、グリセリン等も使用しています。

同じフランス製のエコサートオーガニック化粧品であるサノフロールとあまり構成的には違いがないように感じました。似た感じでいえばREN、AESOPも近いと思います。

ただ、一つ一つの植物成分にエコサートのオーガニック認定を受けているというマークもついていて、真面目な感じがします。

使用感

化粧水、乳液はさっぱりしていて使いやすく、ドイツ系のようなアルコール感や油感はないです。また、美容液もジュリークのジェルアメリオーレのようなグリセリン系の保湿感もなく、湿度の高い日本では使いやすいと思います。

香りについてはイギリス人のプロデュースのためか、RENやオーガニックファーマシーに近い感じで、フランス製の花系のゴージャスさというよりはシンプルでさっぱりした草系ハーブの香りです。

特筆したいのは、化粧水の容器・スプレーの良さです。オーガニック認定化粧品の場合、スプレーはプッシュ型が大半の中これはアベンヌウォーターのようにガス式で、スプレーを押すと自然にシュワーと霧が出るという感じです。この感じは気持ちいいです。

チャネル・プロモーション

日本においてオーガニック認定化粧品として初めての百貨店化粧品売り場での独自カウンター展開と想像しますが、この国内外の各ブランドがひしめく売り場にどのように割って入るのか興味深いですね。

プロモーションについては、会社的に強そうですし、ステラさんという有名人のプロデュースブランドでもあるのでパブリシティとしての扱いも多くなると思います。

ただ、オーガニック認定の基礎化粧品のジャンルではベーシックなラインナップの展開がメインで、季節ごとの新作やキャンペーン商品を繰り出していく感じはなさそうなので、発売後しばらくしたらどのような感じでパブ露出してくるのか楽しみです。

イメージ的には、ボディケアアイテム等の新商品を発売していく方向か、メイク系ブランド化粧品やロクシタンのように新作・新作で展開してくるかと思いますが、個人的には後者の動きになってくれたら新しいので面白いと思います。

総評

イヴサンローラン・グッチ・パルファンという世界的にも大きな企業が取り組む、洗練されたオーガニック認定化粧品ということで、多くの消費者に「オーガニック認定化粧品というものがある」ということを気づかせ、流れを作るきっかけになるブランドであると思います。

 今までの大量生産・大量宣伝・大量流通のブランドとどのように違うのか、また自然成分をつかった化粧品が多くある中で、オーガニックとは何なのか、また認定が付いていることはどのように違うことなのか等の事を、彼らが今回作ったブランドを介して消費者に伝えていくことが業界全体に少なくないインパクトを与えるのではないかと想像しています。

 ただ今回気になったのは、価格面について。日本での価格設定は分かりませんが、海外の価格を考えるとかなりの額になると想像され、日常使いで継続購買させられるのかはプロモーション努力次第という感じと思います。

 消費者としての希望は、たとえ有名デザイナーによるものでなくても日本の生活環境に溶け込む洗練されたデザインテイストとパッケージ・容器の高級感を持ち、オーガニック認定も取得する品質も持ち、日本人向けの使用感および継続的に使用できる価格面をも併せ持つ。。

そんな難題もサラリとこなしてしまう。

もう一歩先のブランドの登場も待ち望まれますね。

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